野村総合研究所が2015年に発表したレポートによると、「10〜20年後、約49%の仕事がAIで代替可能になる」とのことでした。また、メディアアーティストであり、筑波大学准教授の落合陽一氏は、「誰がやっても同じ作業はコンピューターにどんどん取って代わられていく。機械を使う側になるか、機械に組み込まれる側になるかの問題だ」と言っています。

この現実をあなたは受け入れられるでしょうか?

平均以上の子どもはかろうじて生き残り、平均以下の子どもは全員仕事に就くこともできずに路頭に迷ってしまう時代がすぐそこまでやってきています。無収入の子どもをいくつまで養っていけるでしょうか?

「いやいや、国が何とかしてくれるはず」だと思っていますか?もちろん政治家や有識者の方々が国民の49%を路頭に迷わせないために、いくつものアイデアや施策を練ってくれるでしょう。しかし、日本はGDP(国内総生産)あたりの借金額が世界ワースト1位です。溺れる人を助けたくても泳ぐ体力がないのです。

ホンモノの学力が問われる時代

これまでの時代は、成績で高い点数をとれる子どもが有名大学に進学し、大手企業に就職し、年功序列で安定した収入を得られていました。しかし、これからは成績が優秀かどうかではなく、AIにできない仕事をどれだけできるのか?で収入が決まります。どんなに輝かしい学歴の持ち主であっても、AIで代替可能な能力しか持っていなければ、会社から不要な人材として切り捨てられてしまうのです。

つまり、これからはテストで高い点数がとれる学力ではなく、子どもにはホンモノの学力が求められる時代なのです。ホンモノの学力を身につけた子どもたちだけが、AIにマネできない仕事を任せられるようになります。そう、「機械を使う側の人間」になるのです。

AIの台頭によってこれまでの学力社会は崩壊していきます。

正確に言えば、ホンモノの学力を持った子どもだけが生き残れる、まったく新しい学力社会に生まれ変わります。これまで通りの勉強をしていては、49%の子どもが落ちこぼれてしまいます。

では、ホンモノの学力とは何のことでしょうか?

それこそがこのセミナーの本題です。この学力がないために会社から不要とされる人材が増えるばかりか、結果的に人口全体の経済格差が極端に開いてしまう社会問題も含んでいます。

これが答えです。AI時代に生き残るために身につけるべきホンモノの学力とは、「非認知能力」のことです。

次世代に求められる非認知能力とは?

非認知能力は大きく2つの能力から構成されています。まずは、やり抜く力、自尊心、自己肯定感、自律心、自信などの「個人的能力」です。次に、コミュニケーション力、協調性、共感力、社交性、道徳性などの「社会的能力」です。

当然ながらこれらをテストの点数で数値化することはできません。「人間力」と言い換えることができるかもしれません。ただ残念ながら、これらの能力を学校で育むには限界があります。塾で育めないことは言うまでもありません。しかし、あなたにはこんな疑問が浮かんでいないでしょうか。

「人間力が重要なことは分かったけど、勉強はできなくていいの?」

おっしゃる通りです。国語、数学、理科、社会、英語など、勉強もしっかりできなければいけません。ただ、これまでに私が3000名以上の子どもたちを見てきて、断言できることがあります。それは、

非認知能力の高い子どもは、結果的に学力も高い

このことをお話する前に、非認知能力を高めるにはどうしたらいいのか?についてお話する必要があります。子どもに「個人的能力」と「社会的能力」を身につけるためには、どんな育て方をすると良いのでしょうか?

ご想像の通り、やり抜く力や自尊心、コミュニケーション力や協調性などは、教科書をいくら読み込んでも身につけることはできません。机に上に答えはないのです。

意外に思われるかもしれませんが、非認知能力を身につけるために必要なことは、とことん遊ぶことです。家庭に安全安心の場を用意してあげると、子どもはいつでも好奇心を存分に発揮して思いっきり遊ぶことができます。

遊びの中で子どもは創意工夫をして様々なことにチャレンジします。思い通りにならないこともあるでしょう。それでも子どもはあきらめることなく心から面白いと思える目の前のことに友達と一緒にチャレンジし続けます。

また、友達との遊びだけでなく、旅行したり、習い事をしたり、大自然での暮らしを体験したり、また大人たちのコミュニティに交じって一緒に過ごすことも貴重な体験になります。このように、

様々な体験をすることで子どもの非認知能力が育まれます。

非認知能力が高まると、まったく別々に思える体験と体験が化学反応を起こすように結びつくことが頻繁に起こります。そして、それは学業においても同じです。経験豊富な脳は、次々と新しい学びをグングン吸収していくのです。

AI時代に評価されるマネジメント

AIに代替可能な職業は消えていく、というお話をしました。では、AI時代に消えない職業は何だと思いますか?今後49%の仕事が消えていくということは、裏を返せば51%の仕事はまだまだ人間でないと務まらないということです。

税理士や弁護士のように法律という判断基準が明確な職業は、今後大部分をAIに奪われてしまうでしょう。診療医やカスタマーセンターなどのデータベースが豊富な業種もAIで代替可能になっていくでしょう。むしろ、マネージャーのような「人を扱う仕事」は今後も人にしか任せることはできません。

つまり、マネジメントできる人材は今後も必要とされ続けます。マネージャーはほんの一例にしか過ぎませんが、このセミナーで伝えたいことの本質は常に一つです。

AI時代に落ちこぼれない子どもの育て方とは、非認知能力を伸ばす育て方です。

そのために子どもを自由に遊ばせましょう、というお話をしました。

ただ、勘の鋭い方には違和感がありますよね?そう、遊ばせることは一つの手段でしかありません。やり方を間違えると「遊び好きで勉強しない子ども」に育ってしまいます。

繰り返しますが非認知能力を育むということは、やり抜く力、自尊心、自己肯定感、自律心、自信などの「個人的能力」と、コミュニケーション力、協調性、共感力、社交性、道徳性などの「社会的能力」を育む、ということです。

そのために親にできることは何でしょうか?

  • どんな環境を整えてあげるといいのでしょうか?
  • どんな声掛けをしてあげるといいのでしょうか?
  • 30年後も子どもが幸せでいるためには今何が必要なのでしょうか?

私は教育者として15年に渡って3000名以上の子どもたちを見てきました。同じ数だけのお母さんも見てきました。そして、現在では教育事業を展開する経営者でもあります。

AI時代に生き残るためにどんな子育てをすればいいのか?AI時代に生き残れる人材とはどのような人材なのか?セミナーでは教育者と経営者、両方の視点からお話させていただきます。

セミナー講師

【牧 静(まき しず)】
プロ家庭教師・母親コーチ。元大手受験塾講師。15年以上の塾講師経験の中で、のべ3000名以上の生徒を指導。IQは140を超え、MENSAの会員でもある。

教え子の合格実績には、開成、慶應、早稲田など偏差値70超えの中高が多数あり、わずか3ヶ月で偏差値を「15」上げた教え子もいる。また、不登校で塾にも通えない小学生の指導にあたり、難関中学校の合格へ導き、母親から感謝される事例も後を絶たない。

【幸田 勝(こうだ まさる)】

アクサ生命保険株式会社・マスターフィナンシャルプランアドバイザー

金融リテラシー向上委員会・主宰

年間50軒以上の世帯からライフプラン作成の依頼をいただく。日本人の金融リテラシー向上のため、教育資金や資産形成など、各種セミナーを開催。日頃、取っ付きにくいトピックについて、面白おかしく解説。好評を得ている。

「教育資金はどこの家庭でも優先順位の高い項目です。準備の仕方を一緒に考えましょう。ただし、重要なのはやり方より在り方です。お子さんにどんな体験をさせてあげたいでしょうか?」

開催日時

AI時代に落ちこぼれない子どもの育て方
同時開催 AI時代に落ちこぼれない教育資金計画とは?
開催日時①2022年12月12日(月)AM10:00~11:00
開催日時②2022年12月13日(火)PM21:00~22:00
場所オンライン
参加費無料(通常3,000円)