子どもの自己肯定感の上げ方は?2つの側面から解説
近年、子育てにおいて「自己肯定感」という言葉を耳にする機会が増えてきました。しかし、自己肯定感が子どもの成長に具体的にどのような影響を与えるのか、正しく理解している方は少ないかもしれません。
自己肯定感の高い子どもはチャレンジ精神旺盛で、目標達成能力も高い傾向にあります。反対に、自己肯定感が低いと新しいことに挑戦することをためらったり、失敗を恐れて行動できなくなったりする可能性があります。そのため子どもの健やかな成長を願う親にとって、自己肯定感の上げ方を理解することは非常に重要です。
こちらでは子どもの自己肯定感を上げる具体的な方法を、2つの側面から解説します。
声かけで育む自己肯定感

子どもの自己肯定感を育むためには、日ごろの声かけが重要です。普段の何気ない言葉が、子どもの心を大きく成長させる力になります。
結果ではなく過程を褒める
子どもを褒めるとき、つい結果に注目してしまいがちです。テストで100点を取った、絵画コンクールで賞を取ったなど、目に見える成果はわかりやすく、褒めやすいでしょう。もちろん、結果が出たことを喜ぶのは自然なことです。しかし、自己肯定感を育むためには、結果よりもそこに至るまでの過程を重視する声かけが大切です。
結果ばかりを褒めていると子どもは「結果が全て」と考えがちになり、失敗を恐れるようになります。一方で、過程を褒められると努力すること自体に価値を見出し、挑戦することを楽しめるようになります。
失敗を受け止め、次へつなげる声かけ
子どもは、新しいことに挑戦する中で必ず失敗を経験します。その際、保護者の声かけが、子どもの自己肯定感を大きく左右します。
子どもが失敗したとき、頭ごなしに叱ったり、否定的な言葉をかけたりするのは避けましょう。まずは子どもの気持ちを受け止め、共感することが大切です。「○○しようとしたんだね。すごいね!」「頑張ったね」など、努力や挑戦を認める言葉をかけてあげましょう。
次に、失敗を分析し、次へとつなげる声かけを意識します。「次はどうしたらできるか、一緒に考えてみようか」と問いかけることで、子どもは自分で解決策を考える力を養います。また、「大丈夫。誰でも最初は失敗するものだよ」と伝えることで、子どもは失敗を恐れず再挑戦する勇気を得られます。
比較ではなく、個性を尊重する声かけ
子どもは、他人と比較されることで自分の価値を見失ってしまうことがあります。特に兄弟姉妹や友達と比較されることは、劣等感や自信喪失につながりやすいです。「お兄ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの?」といった言葉は、子どもの自己肯定感を大きく傷つけてしまう可能性があります。
比較するのではなく、子ども一人ひとりの個性を尊重し、長所を認める声かけを心がけましょう。それぞれの個性や才能を褒めて伸ばすことで子どもは自己肯定感を高め、自信を持って成長していくことができます。
例えば、絵を描くことが好きな子どもであれば、「あなたの絵は、色使いがとてもきれいだね」と具体的に褒めてあげましょう。また、苦手なことに挑戦している子どもには、「諦めずに頑張っているね。応援しているよ」と努力を認める言葉をかけてあげましょう。
子どもが自分の個性や強みを理解し、受け入れることができれば、他人と比較することなく、自分自身を大切にできるようになります。自己肯定感を育むためには、周囲の大人が子どものよい点を見つけ、言葉で伝えていくことが重要です。
生活習慣で育む自己肯定感

子どもの自己肯定感を育むには、日々の生活習慣も重要です。家庭でできる工夫を意識的に取り入れることで、子どもは「できた!」という成功体験を積み重ね、自信を持つことができます。
自分でできることを増やす
子どもが自分で何かを達成できたという経験は、自己肯定感を育むうえで非常に大切です。子どもの年齢や発達段階に応じて、身の回りのことを自分で行う機会を与えましょう。
幼い頃から自分の力でできることを少しずつ増やしていくことで、子どもは「できた!」という成功体験を積み重ね、「自分はできるんだ」という自信を育むことができます。
また、子どもが何か新しいことに挑戦しようとしたときには温かく見守り、励ましましょう。たとえ失敗しても、挑戦した過程を褒めてあげることが重要です。「次はきっとできるよ」と励ますことで子どもは再び挑戦する勇気を持ち、自己肯定感を高めていきます。
さらに、子どもが助けを求めてきたときにはすぐに手を差し伸べるのではなく、まずは自分で考えて行動するよう促してみましょう。そして、どうしても難しい場合には一緒に解決策を探り、子どもが自分で解決できたという達成感を味わえるようにサポートすることが大切です。
できたことを視覚的に記録する
子どもが自分でできたことを視覚的に記録することは、自己肯定感を高めるうえでとても効果的です。できたことを目に見える形にすることで子どもは自分の成長を客観的に実感し、自信を持つことができます。
視覚的に記録する方法には、以下のようなものがあります。
カレンダーや手帳にシールを貼る
毎日続けなければならない習慣(歯磨き、お手伝いなど)を達成したら、カレンダーや手帳にシールを貼る方法です。達成感を可視化でき、継続するモチベーションを維持できます。「できたこと」を記録する習慣をつければ、自然と子どもは「今日もできた!」と自己肯定感を高めていけます。
できたことリストを作る
ノートやホワイトボードに、子どもが自分で出来たことをリスト化していく方法です。「おもちゃを片付けた」「靴を自分で履けた」など、どんなに小さなことでも構いません。リストが長くなっていくのを見ることで子どもは達成感を感じ、自己肯定感を高めることができます。
どの方法を選ぶ場合でも、大切なのは子どもを「ほめる」のではなく「認める」ことです。「すごいね!」ではなく「自分でできたね!」と、子どもの頑張りをそのまま言葉にして伝えましょう。
また、できたことを一緒に喜び、共感することも大切です。
親が一緒に喜んでくれることで子どもはさらに達成感を感じ、自己肯定感を高めていくことができます。
好きなこと、得意なことを伸ばす時間を作る
子どもが好きなことや得意なことに取り組む時間を確保することは、自己肯定感を育むうえで非常に大切です。好きなことや得意なことを行う時間は、子どもにとって喜びや達成感を得られる貴重な機会となります。
好きなことや得意なことは、必ずしも目立つことである必要はありません。絵を描くこと、歌を歌うこと、物語を作ること、虫を観察することなど、どんな些細なことでも構いません。大切なのは子どもが心から楽しめることであり、それを通じて自己表現や探求心を育むことです。
親は、子どもが何に喜びを感じ、何に熱中しているのかを観察し、その気持ちを尊重しながら好きなことや得意なことを伸ばすための環境を整えてあげましょう。子どもが好きなことに取り組んでいるときは温かく見守り、励ますことで、子どもの自己肯定感をさらに高めることができます。
子どもの自己肯定感を上げるためには家庭環境が重要
受験を控えるお子様にとって、学業だけでなく心の安定も極めて重要です。受験勉強は孤独感や不安を伴うことが多く、自分に自信がなくなってきます。そこで親は、子どもの自己肯定感を育むことが大切です。子どもの自己肯定感をどのように高められるかは、家庭での声かけや日常の習慣によって大きく左右されます。
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