コロナウイルスの影響で、子どもの勉強の場が奪われてしまいました。学校にも塾にもいけずに、自宅にいなければならないってなかなか苦しいものがありますよね。そんな中、子どもの勉強に不安を持っている人も多いと思いますので、自宅学習・家庭学習についてお伝えしますね。
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1.二極化がはじまっている?
コロナの影響で緊急事態宣言が出て、学校も塾も行けなくなり、自宅学習・家庭学習をするしかなくなりました。教育業界では学力の2極化が起こると予想されています。
というのも、自宅学習・家庭学習は、今まで習慣がなかった子どもが突然できるようにはならないからです。僕の教えてきた生徒の感覚でいうと、自宅学習・家庭学習が流れに乗るのには早い子で1ヵ月、遅い子で3ヵ月はかかります。(毎週宿題チェックをして、状況を確認してのことです)
ですから、コロナの影響が出る前から自宅学習・家庭学習の習慣があった子どもは、そのまま今まで通りの勉強をすればいいんですが、自宅学習・家庭学習の習慣がなかった子どもは、今から自宅学習・家庭学習を身につけなければいけません。
コロナの影響で自宅学習・家庭学習をしなければいけないからといって、急にできるものでもないんです。
結果として、自宅学習・家庭学習の習慣があった子はますます成績があがり、自宅学習・家庭学習の習慣がなかった子は、ますます成績が下がるという2極化が予想されているんです。
そもそも、「勉強」って一言でいいますが、勉強という言葉に対するイメージって人によって全然違うんです。
例えば、料理を例にしてみましょう。料理と一言でいっても、全然レベルがちがうんです。
- ミシュランの星付きレストランを目指す
- 将来料理を仕事にしたい
- 家族に美味しい料理を食べさせたい
- 怒られない程度にできればいい
4つのレベルに分けてみましたが、料理一つとっても全然違いますよね。これを勉強にするとどうなるでしょうか?
- ミシュランの星付きレストランを目指す→東大を目指す
- 将来料理を仕事にしたい→将来のためになるべくいい大学に行きたい
- 家族に美味しい料理を食べさせたい→平均より上を取れればいいや
- 怒られない程度にできればいい→怒られなければいいや
こんな感じでしょうか?
なんでこんな話をしたかというと、僕のところに「何を勉強させたらいいですか?」って質問がたくさん来るからなんです。それは、何を目指しているかで変わるので、ひとまとめに答えるわけにはいきません。
何を勉強したらいいかは、何を目指しているかが決まっていないと答えることができません。それ以外にも、学年、性格、得意科目、不得意科目、学習習慣、現在の学力などなど、いろんなことを考えなければ決められないんですね。
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2.オンライン授業ってどうなの?
さて、コロナの影響での自宅学習・家庭学習で、オンライン授業が人気になってきているようです。これをプロの目から解説していきますね。
まず、オンライン授業に関しては、精神年齢が高く、モチベーションが高くないと効果が少ないと言われています。
実際、街にある塾でオンライン授業の塾って、東進ハイスクールと河合塾マナビスが思い浮かびます。これは、どちらも大学受験用の塾ですね。
中学受験、高校受験でオンライン授業の塾がいままで流行ってなかったのは、現実問題として効果が少ないからなんです。
まず、精神年齢が高く、メタ認知が発達していなければオンライン授業は難しいと言えるでしょう。
メタ認知とは客観的に自分を見る力なんですが、勉強で言えば「自分が何がわかっていて、何がわかっていないかを知る力」になります。
この力があればオンライン授業でも解ってないところをもう一度視聴したりして、理解を深めることができるのですが、メタ認知が発達していないと、作業としてオンライン授業を受けているだけになったりします。
言葉は悪いですが、「ただパソコンの前に座っているだけ」になっている子どもも多いんです。
学年が低く、小学校4年生以下になりますと、客観的に自分を見る力がないため、オンライン授業を視聴しながら、「自分が話を聞いていない」ということにさえ気が付かなかったりします。
以上のことから、オンライン学習で効果が期待できるのは、高校生以上かモチベーションの高い小6以上ということになります。
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3.教材は何がいいの?
教材についてなんですが、これも勉強で何を目指しているかで変わります。知っておいて欲しいのが、教材選定は成績をどうするかの超重要ポイントだということです。
子どものレベルにとって難しすぎる課題を与えると、問題を解いても×しかつかずに、やる気がなくなってしまいます。子どもは「問題が難しい」という認識をしないで「僕は頭が悪い」と思ってしまうかもしれません。
逆に、簡単すぎる問題は、作業レベルになるので、すぐに飽きてしまいます。子どもの性格によっては勉強を甘く考えるようになっていってしまいます。
ですから、教材については子どもの学力に合わせて慎重に検討する必要があります。
世の中には色々な教材がありますが、基本的には本屋さんに売っている教材で効果があるものは少ないことは知っておいてください。
というのも、勉強というのは反復練習が基本なので、成績を上げようと思うと解説のページよりも問題のページが多くないと意味がないんです。
でも、解説のページより問題のページが多いと「大変そう」という気持ちが先に出て、本屋さんで買ってくれないんですね。本屋さんで教材を検討された方はわかると思いますが、解説が充実しているのを売りにしている教材がほとんどです。
また、問題が少ないというのは、どういうことかというと野球で言えば、キャッチボール1回、ランニング1回、バッティング1回って練習しているようなものなんです。
キャッチボールもランニングもバッティングもそれぞれやりこまなければ意味がないように、勉強というものは、同じ問題を何回も繰り返し解いて実力が身につくものなんです。
教材には、平均以下の子を平均に戻す教材、平均の子を平均以上にする教材、平均以上の子をさらに鍛える教材とあります。これを学力を考えずに適当に子どもに与えると、勉強嫌いにしてしまうので、注意してください。
教材に関してはやはりその子の現在の学力と目指しているものを考慮したうえでプロに決めてもらうのが一番いいでしょう。
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4.何を勉強したらいいの?
コロナの影響で学校も塾も休講です。自宅学習・家庭学習は何をしたらいいんでしょうか?
受験生に関しては、改めて書きますが、普通の子どもであれば、学校から出ている宿題をまずしっかりやりましょう。
さらにプラスで勉強させたいなら、復習をしっかりとしてください。
コロナでの学校・塾の休講はみんな平等なわけですから、「学校・塾を無視してどんどん勉強したい」という層以外は、遅れるということはありません。
学力というのは、そもそも相対的なものなので全員平等に勉強していないわけですから、遅れに関してはそんなに心配することはないと僕は考えています。
ただ、勉強というのは、ちょっと休んだだけで、すぐできなくなるものでもあります。筋トレをしていた人が、筋トレを辞めると、すぐに筋力が落ちているのに似ています。計算力も読解力も暗記したものも、休んでいたらどんどん力は落ちていきます。ですから、基礎的な反復練習はしておいた方がいいでしょう。
小学生であれば計算練習と漢字練習、中学生であれば計算練習と漢字練習と英単語と言ったところでしょうか。
あとは、この時期にぜひ読書の習慣を身につけてください。ある研究データでは読書量と年収は比例関係にあるというものもあります。僕も大学生の頃から年100冊の読書をするようにしてますが、読書の力は社会人になってからますます効いてくると実感しています。
「読書の習慣は、親が子どもに贈れる最高のプレゼント」と言っている人もいますので、ぜひコロナのこの時期の自宅学習・家庭学習の中に読書を入れ込んでみてください。
読ませる本に関しては、僕の個人的な見解ですが、偉人伝をお勧めします。勉強の根底にあるのはモチベーションですし、モチベーションをつくるのは立派な大人になりたいという気持ちだと僕は思っています。立派な大人のモデルを本で読むことで、大人になったときの夢もできるかもしれません。
ですので、この時期に何を読ませるか迷ったら、偉人伝を読ませてみてください。
読書意外には、学力の面を考えるのであればパズルや工作、ペーパークラフトなどがおすすめです。ただ、こういうものは与えてみて子どもが興味をもったらやらせるもので、無理やりやらせても意味がないので、あまり期待しないでください。
親の関わり方についてですが、これは学年にもよります。小4以下であれば親の側が強制的に決めてしまっていいと思います。中3以上であれば家族会議をして、本人に決めさせるのがいいと思います。
難しいのが小5~中2で、このころの子どもは親の言うことよりも友達や外部の大人の言うことの方がききます。ですので、小5~中2のお子さんをお持ちでしたら、塾や家庭教師の先生から言ってもらうのがいいでしょう。
コロナの時期の自宅学習・家庭学習をスムーズにするためには、勉強する時間、勉強する場所、勉強するテキストのページまでをスケジュール化して、表などで管理するといいでしょう。さらに、毎日のチェックの仕方を決められるといいと思います。
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5.受験生はどうするの?
受験生の場合はちょっと話が変わります。受験生はこのコロナの時期の自宅学習・家庭学習で差がついてしまうからです。ですから、しっかりと計画を立てた復習をした方がいいでしょう。
気を付けて欲しいのが、この時期に暗記物を仕上げても意味がないということです。過去に僕の教えた生徒で中3の夏休みに理社の暗記を仕上げた生徒がいたんです。9月以降は英数国に勉強に集中するって作戦を立てたんですね。で、この生徒は計画通り夏休みに暗記を仕上げて、9月から英数国に集中した結果・・・
なんと理社の知識が抜けていってしまったんです。
暗記の基本は反復練習ですから、やらなくなれば忘れてしまうのは当たり前なんですね。
ですから、コロナのこの時期の自宅学習・家庭学習は、理社のような暗記科目より、英数国を繰り返し反復することを進めます。
反復練習の効果は意外と大きいものです。例えばサッカーで「ボールを蹴るときに軸足を意識しろ」って言われたとします。何のことを言っているか分からないまま練習していると、あるとき「あぁ、これが軸足を意識するってことなんだ」って突然わかったります。
サッカーの例では、わからないままボールを蹴る練習を繰り返していたら、コーチの言っていたことが時間をおいてわかったということが起きました。
勉強でも同じことが起きます。すでにできる問題であっても、繰り返し復習単元を勉強することによって、一つひとつの単元の理解がより深まり土台がきっちり固められていきます。
すると、知らず知らずのうちに実力が上がっていくんですね。そして固められた土台からは応用力がでてくるという効果もあります。
また、苦手科目がある場合は思い切って戻って復習するチャンスでもあるので、ぜひ苦手科目の克服に時間を使ってみてください。
中学受験の場合は、また事情が違います。中学受験はカリキュラムがキッチリ組まれていますので、そのカリキュラムに遅れることなく、しっかりと仕上げていくことが大切になります。
ただ、塾に行っていたころはリズムをつくって勉強できていた子も、コロナの影響でずっと家にいると怠け心が出てきて自宅学習・家庭学習の習慣がくずれてしまうこともあるようです。
リズムがくずれてしまった子にお勧めなのが、時間割をキッチリつくることです。本人に作らせた方が効果は期待できるので、可能であれば本人に作らせてみてください。
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6.まとめ
コロナの影響で自宅学習・家庭学習をなんとかしなければいけない状況になってしまいました。
色々なことを書いてみましたが、やはり子ども一人ひとりの状況によって、やるべきことは変わります。
もし、プロの意見を聞きたいということでしたら、オンラインでの個別相談もしておりますので、お気軽にお問合せください。ご希望の方には教材も販売しています。
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